北の漁場~港シリーズ 海の男の心情を唄う~

北島三郎 北の漁場~港シリーズ 海の男の心情を唄う~歌詞
1.なみだ船

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

涙の終わりの ひと滴
ゴムのかっぱに しみとおる
どうせおいらは ヤン衆かもめ
泣くな怨むな 北海の
海に芽をふく 恋の花

クルクル 帆綱を 巻きあげて
暁の千島を 忍び立ち
あてにゃすまいぞ ヤン衆かもめ
舵であやつる 舟のよに
女心は ままならぬ

惚れたら 遠慮は できまいが
いやというなら ぜひもない
夢をみるなよ ヤン衆かもめ
にしん枕に 北海の
月に哀しや 泪船


2.やん衆酒場

作詞:原譲二
作曲:原譲二

酒がにがいと 泣く女
酔っているのか なあお前
駄目じゃないかよ しっかりしろよ
つらい涙はこの 海峡(かいきょう)の
潮の流れが 消してゆく
北のさい果て やん衆酒場

長い襟足 ほつれ髪
やるせないのか なあお前
やけはよしなよ馴れないことは
思い直して 身の上話
云えば悩みも 晴れよもの
北のさい果てやん衆酒場

今宵別れの 港町(みなとまち)
何も聞くまい なあお前
なまじ情はせつないばかり
濡れた瞳に 別れの風が
未練心(みれんごころ)を吹き流す
北のさい果てやん衆酒場


3.海のあらくれ


4.度胸船


5.知床漁港

作詞:仁井谷俊也
作曲:原譲二

海が嫌いで 故郷捨てた
なんで今さら 恋しがる
コップの酒に 酔うたびに
沖で網ひく 親父が浮かぶ
帰ろかなァ… 帰ろかなァ…
俺のふるさと 知床漁港

がんこ印の 流氷にらみ
ホッケ相手に 荒稼ぎ
大漁旗が 潮風に舞う
海の漁師の 祭りも近い
帰ろかなァ… 帰ろかなァ…
紅い夕陽の 知床漁港

吠える北海 漁師を継いで
楽をさせたい おふくろに
背中丸めて 今頃は
流れ昆布を 拾っているか
帰ろかなァ… 帰ろかなァ…
俺のふるさと 知床漁港


6.波止場

作詞:星野哲郎
作曲:市川昭介

泣きたいときにも 笑わにゃならぬ
男というものつらいもの
俺も人の子 鋼じゃないぜ
触りゃいたむさ 傷跡が
ああ 別れの別れの 波止場

おいらに逢いたきゃ かもめになって
北へおいでよ 待ってるぜ
みぞれまじりの 飛沫をあびて
あげる錨に からみつく
ああ みれんのみれんの 波止場

怒濤に刻んだ 男の歌を
かもめ歌って きかそうか
船のてすりに 身をのりだして
すてたことばが はねかえる
ああ 夜霧の夜霧の 波止場


7.舵

作詞:石本美由紀
作曲:原譲二

奥歯かみしめ 男が耐える
苦労吹雪の荒れる海
負けてたまるか 沈んでなるか
広いこの世の 海原を
俺はこの手で 舵をとる

灯り色した 情けがあれば
どんな闇夜も 恐くない
つばさ可愛い お前はかもめ
惚れて運命を 託すなら
俺の大事な 舵になれ

明日の光を 追いかけながら
生きた数だけ でかくなれ
波よ吠えるな 吹雪よ泣くな
夢を積み荷の いのち船
俺はしっかり 舵をとる


8.北の漁場

作詞:新條カオル
作曲:桜田誠一

いのち温めて 酔いながら
酒をまわし飲む
明日の稼ぎを 夢に見て
腹に晒し巻く
海の男にゃヨ 凍る波しぶき
北の漁場はヨ 男の仕事場サ

沖は魔物だ 吠えながら
牙をむいてくる
風にさらした 右腕の
傷は守り札
海の男にゃヨ 雪が巻いて飛ぶ
北の漁場はヨ 男の遊び場サ

銭のおもさを 数えても
帰るあてはない
二百浬を ぎりぎりに
網をかけてゆく
海の男にゃヨ 怒 が華になる
北の漁場はヨ 男の死に場所サ


9.漁歌

作詞:山田孝雄
作曲:浜圭介

俺が網を引くのはよ
可愛い女房と子供によ
腹一杯 飯を食わすためなんだよ
坊の岬に桃花咲く頃
今年も鰹が 鰹が来るぞ
はまらんかい きばらんかい
東支那海は 男の海よ

俺が海で死んだらよ
可愛い女房と子供はよ
どうして生きる 嵐にゃ負けるものかよ
夫婦鶯 裏山で鳴く頃
今年も鰹が 鰹が来るぞ
はまらんかい きばらんかい
沖は荒海 男の海よ

はまらんかい きばらんかい
東支那海は 男の海よ


10.やん衆挽歌

作詞:新條カオル
作曲:原譲二

海の碧さに 惚れ込みながら
さびれ番屋で 風を待つ
吼える山背の うねりも消えて
沖は朝焼け ゴメが舞う
酒も男の 清め酒
北の船唄 やん衆挽歌

口紅も引かずに 働く女房
もんぺ姿で 網を刺す
腕の古傷を こらえて耐えて
せめていい夢 見せたいものと
右へ左へ 舵をとる
北の船唄 やん衆挽歌

潮で揉まれた しわがれ顔が
海の男に よく似合う
みぞれ混じりか 雲足はやい
地獄廻りの 船が出る
ぐいと飲み干す 命酒
北の船唄 やん衆挽歌


11.男の潮路


12.黒潮漁歌 かつお船


13.港春秋

作詞:星野哲郎
作曲:原譲二

海は荒海 日本海
風は北風 シベリヤ生れ
面舵 取り舵 北前船の
はらむ白帆が 目に浮かぶ
ああ はるばると 海人たちの
夢を育てた 港春秋

月の砂丘に 咲く花は
知っているのか 古代のロマン
白兎の神話に のれんも更けて
かわい人魚の 片えくぼ
ああ 出船待つ 海人たちの
唄もはずむよ 港春秋

山は大山 愛の山
川は清流 千代川の
みどりを透かした しぶきの中に
おどる若鮎 さわやかに
ああ 母となり 親父となって
命彩る 港春秋


14.寒流


15.にしん場育ち


16.北の男船

作詞:大屋詩起
作曲:原譲二

疾風(かぜ)に煽(あお)られ みぞれが吹雪(ゆき)に
海もどうやら 時化模様
怒濤(なみ)の頭突きを 度胸で捌き
勇む船足 千島の沖へ
男勝負の
ア ドッコイ やん衆船さ

生きて行くには ここしかないと
意地をぶちこむ 北漁場
可愛い娘と 女房の写真
守札(まもり)代わりに 晒に巻いて
網に追い込む
ア ドッコイ やん衆船さ

錆びたデッキに ぶつかるしぶき
漁師冥利(みょうり)の 波の華
風にはめたく 五色の旗が
夕陽背負って 湖路に映える
大漁土産の
ア ドッコイ やん衆船さ